東西ユダヤ人の野望

マルクスとロスチャイルド

Marxism

戦いながら助け合う

18世紀末から19世紀初頭のフランクフルトにて、衛生管理もままならない劣悪な土地を特別居住区ゲットーとして与えられていたユダヤ人。主にキリスト教徒から迫害を受けていた彼らは、キリスト教徒が蔑んだ金貸しや質屋、古物商や行商で生計を立てていた。「金貸し」という言葉は当時ユダヤ人の代名詞であり、今に至っては世界の金融界を牛耳るにまで巨大になったが、エルサレムを追われ流浪の民となり、お金だけが頼みの綱だったユダヤ人が金持ちで、お金の仕事にも長けていたのは当然のことである。この後ユダヤ人は、お金さえあればどうにかなるとした今の世の中をつくり上げたが、そこに君臨し続けるには長く辛い歴史を耐えなければならなかったのである。

フランス革命軍によりゲットーが解放され、隔離されていたユダヤ人が市民的平等を得る頃には、迫害を受けつつも強い団結力と財力、ネットワークを持つユダヤ人の力を宮廷が欲しがるようになり、宮廷に仕えるユダヤ人すなわち宮廷ユダヤ人が活躍し始める。アルトゥル・ショーペンハウアーは「フランクフルトでユダヤ人の足を踏んだらモスクワからサンフランシスコまで情報が行き渡る」と指摘していたが、それほどユダヤ人のネットワークは優れていたのだ。他が持っていないものを、持っているユダヤ人。特筆すべきはマイアー・アムシェル・ロスチャイルドだ。ロスチャイルドは、奴隷貿易や戦争資金の貸付、鉄道情報流通網など主要産業に資本を投下し、わずか数十年足らずで人類屈指の大金持ちになった。

お金に貪欲であることを嫌う当時のキリスト文化の中に於いて、ロスチャイルドの金儲けはシンプルで、しかも力強いものだったが、金で金を稼ぐロスチャイルド式資本主義に対し異を唱える者も多くいた。その中で頭角を現したのが、同じユダヤ人であるカール・マルクスだ。マルクスは、盟友であるフリードリヒ・エンゲルスと共にロンドン王立図書館にこもり、彼の代表作となる資本論を書き上げた。マルクスは、金の無い貧しい人の心に目を付けて革命を計画したのである。

マルクスとロスチャイルド

彼らは共に現ドイツ出身のユダヤ人だが、ロスチャイルドの資本主義に対しマルクスはユートピア的社会主義を主張した。そしてロスチャイルドは西へ、マルクスは東へとその思想を拡大していったが、彼らの本当の目的は共に覇権主義だった。東西に分かれたユダヤ人は長い争いを始めるが、その中身は世界をコントロールする主権争いだったのだ。

お金と幸福を直結させ、お金が無いと不幸になる社会をつくり上げたロスチャイルドの資本主義と、お金はお金を持っている人のところにしか集まらず、そこで発生する貧富の差は多くの人を不幸に陥れるとして共産主義を提唱したマルクス。
血統を重んじるロスチャイルド家は男子を家長とする家訓を末まで厳格に守り、同族では手の届かないところへは他の資本家を投入して富を拡大していった。アメリカの通貨発行権を手にした時の手法は見事である。
一方マルクスは、血縁より思想の一致に重点を置き、陰から暴力を操るロスチャイルドと違って暴力を手段の道具とした。後のレーニンやスターリンは、暴力革命によりソ連を掌握し、そこから共産主義革命を世界に拡散していった。

二人のユダヤ人が端緒となり始まったと言っていい近現代史は、洋の東西に限らず人間の物欲が決めるようなものだったが、東側の戦略として厄介だったのは、米ソを行き来していたトロツキーのラインである。トロツキー派は、トロツキストとして国の内部工作を行った。
仕事として大きかったのは二つの大戦をコントロールしたことだ。ちなみに、仲が良かった日本とアメリカの国民感情を分断し、絶対に行ってはならないと勅諭まで戴いていた米国への攻撃を工作したのは、米左派トロツキストと繋がっていた日本の軍や政府の上層部だった。国は、外部と内部の双方から破壊する、と、私の大先輩から教わったことがあったが、先の戦争は、内部崩壊による敗戦だったのだ。

トロツキストは現在、グローバリストやディープステート、国際金融資本といった米国左派に成長したが、上院議員の過半数を占めている民主党に多く、而して左派に食いつぶされた共和党員にも多くいる。ちなみに陰謀論として上る話題の殆どの主人公は米左翼だ。日本人を心の底から嫌っており、コオロギを食べさせているのも、命の危険があるコロナワクチンを蔓延させたのも、もっと言えば9,11テロを起こしたのもフセインを殺害したのも米国左派である。
アメリカ保守主義の筆頭として人気があるが日本では謎に嫌われているトランプは、ロスチャイルドと親密な親イスラエル主義者であり右派である。今は、J.ブッシュ以降現バイデンまで続く世界の破壊活動を止められるのは、ロシアプーチンとトランプが組むことでしか成りえないとして日米の一部の国民から大きな期待が寄せられているが、ユダヤ資本との関わりは濃厚であり、日本にとっての100%とも言い難い。

さて、ナポレオンの市民革命によりユダヤ人が解放されてから二百有余年今では、ユダヤ人と言えども一枚岩ではなく、ロシアと言えども左派ユートピア的社会主義国ではなく、アメリカと言えども反共の前衛とは言えなくなっているがしかし、東西両雄が世界中をかき乱した後の現在を観るに、東西共に同じ爪痕が見つかるのは確かである。それは、無神論、唯物論、科学信仰そして経済至上主義、形而上学蔑視、宗教を蔑むといった、機械的な冷たい心のことである。

お金さえあれば幸せになれる。金で買えないものはない。人の心さえも金次第だ。金が無いなら死んだほうがまし・・・。21世紀の、特に西側諸国では、お金に対するこのような価値観が当たり前となっている。万物の霊長たるべき人間が、お金を媒介として欲をむき出しにし、而してそれを恥じず当然のこととしているのである。
道具を覚えたサルでも発情はするが、発情によってサル社会の秩序が乱れることは無い。西側の人々は制度上の単位でしかないお金に対しその存在を超える価値があると錯覚し、人々に行き渡らない程度に配られた額のお金を奪い合っているが、欲深く、浅ましく、息苦しく、つまらない先進国はこうしてつくられたのである。

“Let me issue and control a nation’s money and I care not who writes the laws”

「私に一国の通貨の発行権と管理権を与えよ。そうすれば、誰が法律を作ろうと、そんなことはどうでも良い。」

これは初代マイヤー・アムシェル・ロスチャイルドが残した有名な言葉である。
「一国の中央銀行を支配すればその国全体を支配できる」からだ。

また、マイヤー・アムシェル・ロスチャイルドの妻であり、ヨーロッパを支配した5人兄弟の母でもあるグートレ・シュナッパーは

「私の息子たちが望まなければ、戦争が起きることはありません」

と語っている。

Fellow

仲間に逢いたい

私は頭山満の直孫を師匠とし、名門頭山家に長らく仕えているが、それ以前のもっと若い頃からも年長の人に気に入られることが多かった。善きも悪しきも師弟関係から得た養分が自分を育てたと言って過言でないが、人物の大小に関わらず昔はすべからく、若い時分から人は師を持ち、そこに仕える友と一緒に成長したものである。なるべく多くの人と関わり、目上からは情を受け、友と助け合いながら可能性を探るということが絶対に有益なのである。世間から人情が消えた今だからこそ、多様な仲間と出会いたい。

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