19世紀。アメリカ進出を目論んだロスチャイルド家の代理人オーガスト・ベルモントを娘婿として招きいれたペリー提督は、資産価値が高騰した金(ゴールド)を一番多く保有している日本の門を開けるべく米国政府の使いとして黒船に乗り来航し、幕府に圧力をかけた。
1815年に勃発したワーテルローの戦いおいて、イギリス国債を空売りしたネイサン・ロスチャイルドが一夜にして財産を2000倍も膨らませた話しは有名だが、日本の内戦つまり佐幕派と討幕派との戦いには、ロスチャイルド家の五男、パリ家のジェームズ・ロスチャイルドが幕府を支援し、同じくロスチャイルド家の三男、ロンドン家のネイサン・ロスチャイルドが薩長同盟を支援した。ワーテルローの戦い以来、ロスチャイルド家が紛争に投資する際は、漁夫の利を得るために敵対する双方に投資するのが習わしだった。そしてその結果、ロンドン家のネイサン・ロスチャイルドの代理人で坂本龍馬を子飼いにしていたグラバー商会の仲介により、アメリカの南北戦争で余った武器を輸入した薩長同盟が勝利する。
然るに、国の主権を手にした伊藤博文や山県有朋など政府要人は、英国仕込みの洋風で甘美な生活に酔ったのか、その俗的な生活と引き換えに仏教、神道、儒学といった、それまで培われた日本の知的財産を手放したのだ。
明治維新がロスチャイルド家の謀略であり、薩長のリーダーは地位と富を得るためにそれにのっかった。ということに気づいた西郷隆盛は、日本が英国の経済植民地になることに対し抵抗するべく国の近代化を急いだが、ロスチャイルド家とは大英帝国のことである。西郷は、英国の手に染まっていない朝鮮、清と手を組んで欧州と対峙しようと考えたが、明治政府が反対。結局は明治政府と闘うこととなり、最後は賊将として非業の死を遂げるのだ。
しからば日本は、アヘンと引き換えに富を奪われた清国のように落ちていったのか、というと、そうではなかった。
西郷の精神を受け継ぐべくハラワタにその志を詰め込み、精神の力のみで日本の没落を阻止した英雄が一人、在野から現れたのだ。
頭山満。
日本がイギリスの経済植民地になってしまうことを防ぎ、既に欧米の植民地となっていたアジアで独立運動をする同胞を救け、あるいは清朝廷に虐げられていた漢民族を救うべく独立戦争に大きく寄与加担した当時の英雄である。
時代が時代であれば、日本はおろかアジアのみならず欧米にまで轟いたその名を知らぬものはいなかったが、歴史上の偉人と呼ばれる人すべてがその時代の潮流の主として民の上に立っていたのに対し、頭山満は無位無官。金や資産を持っておらず、政治家でも官僚でも、華族でも皇族でもなく、財閥や実業界の一員でもなく他国の後ろ盾もない人間つまり在野にて、素っ裸の何もない男だった。無論、自分の名を残そうといった色気もない。
産まれっぱなしの裸一貫で、生涯、真だけを貫き通して生きた、無位無冠の帝王、頭山満。而してこの侍が、日本のみならずアジア全土、もしくは全ての有色人の柱となり白人の帝国主義と渡り合い、巨大な力としてひとり、白人社会との力的均衡を保つ火薬となれたのは、人としての生き方が優れて正しかったからである。
昭和に入り、日本は、世界の覇権者を決めるための大きな戦争に負けてしまった。米国大統領は「頭山の悔しがる顔が見たかった」と漏らしたというが、頭山満は、敗戦が決まる1年前に没していた。
「これより天皇陛下の御言葉を賜る故に伏して聞くように」といった意味の宣誓を述べた頭山家三男の頭山秀三。その後、天皇陛下による有名な玉音放送が焼け野原に流れた。
それからの日本は、敗戦とともに日本への影響力を失ったロスチャイルドに代わり、アメリカを牛耳るロックフェラーが船頭となり経済を膨らませ、ソ連の共産主義陣営を警戒しつつも、隅々まで干渉するアメリカの顔色を窺いながら、中国に愛想笑いする国になった。数十年で驚異的に拡大した経済も、アメリカの干渉により破綻。安くなった資産を買いたたかれ、お前たちは絶対に核兵器は持つなと睨まれながら、政治も、司法も、経済も乗っ取られたままになっている。
戦後の劣化した日本の一つひとつを細かく探り、世界とはどういうもので、どう動いているのかということを知ることも大事だが、弱体化した日本国民に対し、力と喜びと勇気を与えるために、豪傑、頭山満の生きざまと思想と精神を植え付けることの方が先決ではなかろうかと思う。人間、産まれたからには生きていかなければならないが、苦しみの多い世の中でも、心の使い方、持ち方ひとつで面白くできるものである。一真会は、頭山満をただ紹介するものではなく、空虚になった日本人の心に一つひとつサムライの火を点ずることを目標としているが、200年にも渡って続く被支配体制を壊すには、小さな灯を集めて大きな炎にしなければ絶対に叶わない。欧米の資本家を恨む前に、まずは足元を固めよう。古のサムライも、それを望んでいるに違いない。
一真会では、このプロジェクトを通して、開催地域の住民と繋がり、その地域から選出された政治家や自治体の問題点や良い部分などを明るみにし、あるいはその地域から立候補する予定の政治家を応援したりといった政治活動を行います。
明治四十三年。『冒険世界』という雑誌が発表した「現代豪傑」ランキングで、頭山翁は11,538票を獲得、三浦観樹(8,731票)、乃木希典(7,377票)らを抑えて一位に輝いた。このランキングに付された頭山評には「その人気一世を籠蓋し、その人格蒼莽方物すべからず、ある時は深沈大度の英雄の如く、ある時は深山大沢の魔物の如く、また山師の如く、国士の如く、万金を抛って志士を養ふ。その着眼非凡にして一種奇異の人物たり」とあった。今の日本人では到底理解しがたい評価基準だろうが、この、一般人が行った頭山に対する評価こそが大人物を語る本来の指標なのである。目を覚ませ!日本人!